何をどうすればいいのかわからない、とにかくめちゃくちゃになった家の中。
これは現実なんだろうか、やっぱり現実なんだよなと、現実感の乏しいまま思っていた。
国道を西へ西へと向かうサイレンの音が、朝から晩まで、ほとんど途切れることなく聞こえていたのを、今でも覚えている。
あれから22年。
大切なものほど失われていく気がして、生き続ける方がよほど辛いんじゃないかと、正直思う時もあった。
それでも生きている。
楽しいことも、かけがえのない出会いもたくさんあった。
きっとこれからもそう。